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 ある出来事に対して、この人はどういう見方をしているのだろうと思うことがある。そんな時に開くのが藤原新也さんと村西とおるさんのサイト。この御二方には何の接点もないと思うが、ともにテレビや新聞とは全く異なる見方をしていて面白い。こういう意見に簡単に触れることが出来るネット社会は、あらためて素晴らしいと思う。
 
 突然入ってきたのが金正日さんの死去ということで、一通りのニュースを見終わった後に、早速この二人のサイトを開いてみた。このうち村西さんの方は、今のところ(20011年12月20日)書いていないが、藤原さんは早くも取り上げていたので、期待していたとはいえ反応の速さに驚いた。藤原さんのサイトは今年限りで閉鎖されるとのことだったので、もう更新はないと思っていたこともあった。
 
 記事ではニュースで主題となっている後継問題や拉致、核といったものを一切取り上げていない。自身の35年前の南朝鮮で見聞した美しい自然や文化を引き合いに出し、もし逝去に伴い彼の国が西側イデオロギーに組み込まれるなら、やがて北にも残っているはずの旧来の文化も、南が辿ったように急速に崩壊してゆくだろうといった主旨が述べられている。
 
『以上のことは私は軍事政権や独裁政治を肯定する意味で言っているのではなく、こういった国家には資本主義的な拡張や成長の論理が優先しないだけに旧来の文化が居残るという側面があるということだ』(サイトより引用)
 
 そうだろうなあと思う。僕は北はもちろん韓国にも行ったことがないので、朝鮮半島の文化には全くの白紙状態だが、『世界どこに行っても金太郎飴のような同じような平準な世界に成り代わって行く』(サイトより引用)という方向に世界中が向かっているのは、良いとか悪いとかは別にして事実だと思う。そういう意味では朝鮮民主主義人民共和国という地域は、地球上に残された最後の砦という気もする。



 最近は知らないが、かって愛用していた旅行ガイドブックのロンリープラネットに、必ずといっていいほど書かれていた一文があった。
 
“Things change – prices go up, schedules change, good places go bad and bad places go bankrupt – nothing stay the same”
 
 もちろん旅人に対するメッセージ以外の何物でもないが、どこか藤原さんの言に通じるものがある。「かって訪れた場所があまりに良かったので再訪してみたら、あまりの変わりようにがっかりした」という経験を持つ人は少なくないと思う。
 
 そのがっかりは個々によって違うだろうが、僕の場合は物価の高さに加え、「発展」というのがある。便利と言い換えてもいい。例えば苦労して辿り着いた村も、今では新しい道路が開通され、バス一本で快適に着くことが出来るようになった。それ自体は歓迎されることだが、それゆえに多くの観光客が訪れるようになった。
 
 ところが一方では、その便利さを享受している自分がいる。期待していなかったホットシャワーを歓んで浴び、期待していなかったメールチェックとネットサーフィンに励む。人(観光客)が多いと嘆きながら、出会う旅人と歓んで話をする。大いなる矛盾ですね。
 
 藤原さんが指摘するまでもなく、世界の面相が金太郎飴になることは全く否定しないが、しかし人の営みというのは、そう簡単には変わらないという気がする。インフラが整備される速度と、人のありようの変化は比例するとも限らない。むしろ進化するインフラと、それを使う人とのギャップを観察するというのも、新しくはないが旅の愉しみ方のひとつと捉えている。
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プロフィール
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lovelylifeorhell
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男性
趣味:
旅と酒と読書
自己紹介:
ここのところ私事多忙にて更新が滞っています。
忘れたわけではありませんので、まったりとお待ちください。
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