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 シリーズ第四弾は番外編というかネタが切れてきたので、「旅人」の枠を広げました。
 
 
『ここは日本と違って仕事がノロいんで・・・』
 
 イエメンの査証延長には本国の大使館からのレターが必要とかで、サナアの日本大使館に行った92年の話。レターの発行そのものは快諾してくれたが、応対してくれた日本人職員が一言。
 
 後日受け取りに行った時、演歌調の鼻歌を口ずさみながら出入りしているイエメン人職員を見て、日本人職員の苦労が忍ばれた。
 
 
『何しに来たんだオマエ・・・?』
 
 こう言われたというより、そういう雰囲気だったという話。その92年の旅の予定では、イエメンからジブチまで船で行き、ソマリアを縦断してケニアに入るつもりだった。で、ようやく探し当てたサナアのソマリア大使館では、スーツ姿の黒人職員が応対してくれたのだが。
 
「ビ、ビザが欲しいんですが・・・」
 
「・・・・・・」
 
「ジ、ジブチまでの船ってありますかね・・・?」
 
「船・・・?」
 
「いや・・・ひ、飛行機でもいいんですが・・・」
 
「飛行機・・・?」
 
 クラッシュという語が聴き取れた。「(ソマリア国内の)空港なんかとっくに壊されたよ」ということだろうか。「我が国の状況を知ってるのか?」と言わんばかりの口調に押されて、ほうほうの態で退散した。若気の至りというか無知の暴走というか、やっぱり無理でしたね。
 
 
『Welcome』
 
 その後サナアの街をとぼとぼ歩いていると、突然レゲエカラーの国旗が目に飛び込んできた。エチオピア大使館である。ひょっとしたらと思い中に入ると、応対してくれた黒人職員が一言。
 
 まさかと思ったが、あっさり観光査証を発行してくれた。これでアフリカに入ることが出来ると意気込みましたね、あの時は。「捨てる神あれば拾う神あり」というところか。
 
 
『おっ、若いな・・・』
 
 その数ヵ月後に、パスポートの増補のためナイロビの日本大使館に行った。出来上がったパスポートの写真を確認しながら日本人職員が笑顔で一言。今の時代だと冗談にならないかもしれないが、来訪者との距離が近いというか、ある意味いい時代だったと思いますよ。
 
 ところで記事の主旨とは違うが、その頃の日本大使館にはインド人と思われる職員も勤務していた。「やはりインドからの移民が多い国ゆえ登用も必要なのだろう・・・」などと暇を持て余した旅行者同士で囁き合っていたが、このネクタイ姿が似合うインド人も、何時行っても暇そうにしていた。
 
 ある時、手紙の受け取りのため大使館に行くと(今でもやっているのかは知らないが、当時は大使館付けで旅行者宛に届いた手紙の保管をしてくれていた)、件のインド人が何やら取り外されたコンセントのようなものを弄っていた。その部品を弄くる緩慢な動きの彼と、傍で黙々と業務に勤しむ日本人職員の姿を見ながら、やっぱり苦労が忍ばれましたね。
 
 と思うと同時に、むかしカルカッタで会った日本人の言葉を思い出した。ボッタクリや自称ガイドに翻弄される同胞を横目に、クルタ姿の彼が一言。
 
「日本人は人を使うのが下手だから・・・」
 
 どうですかね?
 
 
『あ、わたし払います。わたし働いてますから』
 
 その旅でナミビアのウィンドホークに行った時。瀟洒な歩行者天国のような通りを歩いていると、” Are you a Filipino ? ”と声を掛けられた。「違う。日本人だ」と咄嗟に英語で答えたが、「日本人かあ・・・」と嬉しそうに言う声を掛けてきた女性は、日本人だった。で、彼女と昼食を共にすることになったが、支払う段になって彼女が一言。
 
 一瞬うっとなったが、当地で国連関係?の仕事に携わる彼女の言うとおりだった。あの頃出会ったアフリカ旅行者達は、学生以外は僕も含めてすべからず無職だった(この場合の、「すべからず」は誤用ですが、あえて使います。言葉は進化するという可能性を留保するということで)。
 
 
『私こんなの見たことない』
 
 何だかアフリカシリーズになってきたが、最後は南アフリカに入国した時の話。
 
 そのウィンドホークからケープタウンまでは、” car sharing ”を利用した。旅行者同士が金を出し合い、レンタカーを借りるというやつである。南ア側の係官は白人の婦人だったが、僕のパスポートを宙に翳しながら、他の職員に向かって一言。
 
 大きいということらしい。その後目立つとか盗難に遭いやすいとかで、サイズや色などが現行のものに変わったが、今から思うと何だったんだ、あのデカパスポートは。
 
 おしまい。
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ここのところ私事多忙にて更新が滞っています。
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