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 今ひとつ観光名所に乏しい印象のあるココンだが、街の散策やコン島へのダイビングや、ましてやチキンファームは別として、一応いくつかの名勝はあった。そのうちのひとつがタタイ滝で、ココンに泊まる羽目になった旅行者にとって、唯一の時間潰しといっていい。
 
 ところで調子のよい小太りカムリ。プノンペンに妻子を残したまま、「単身赴任」をしているとのことだったが、一体どういう経緯でココンで、” hooker “に成り果てたのか。興味があったので訊いてみると、「金になるから・・・」ということだった。当たり前か。
 
 まずは町工場のような所に立ち寄り、愛車のメンテナンスとなった。これからどういう処に連れていかれるのか分からなかったが、やはり手入れは必要なのだろう。赤土が眩しいココンの街並みを見渡す限り、郊外への道のりなど大体想像がつく。
 
 次に買出しとなった。本日はピクニックゆえ、菓子類やビールなどを調達するわけだ。ところでハッキリさせたいのだが、これは俺が払うのか? カムリに訊くと、「これがカンボジアスタイル!」などとのたまう。はい。
 
 次に女の調達となった。本日はピクニックゆえ、男だけで行くのは面白くないというわけだ。ところでハッキリさせたいのだが、これも俺が払うのか? カムリに訊くと、「その必要はない」とのことだった。訳の分からん連れ出し料など課せられたら目も当てられないと思っていたが、意外としっかりしていたので感心した。
 
 で、カムリが向かった先は、予想を裏切らず知り合い(ある意味知り合いかもしれないが)でも友達(ある意味友達かもしれないが)でもなく、近場に位置する置屋群だった。やはりこのパターンか。

img450.jpg
Krong Koh Kong/Cambodia 2007
 
 到着するや否や、女性達が笑顔で飛び出してきた。「何々? 何か面白いことあるの?」といった感じだろうか。すかさずカムリが、「これからタタイに行くぞ!」(雰囲気訳)と声を上げる。
 
 時間にして午前10時くらいだったろうか。置屋はすでに営業していた。とはいえ客足はなさそうで、暇を持て余した嬢達が、次々とフロントガラスに擦り寄ってきた。見れば皆、普通の女の子だ。
 
 カムリが二人の女性を選び出発。組み合わせはよく分からないが、一応カップルが成立した(ここから先は、かなりアレな話です。自信のない方は読まない方がいいです)。


 
 このブログでも何度か書いたが、嘗て90年代の初め頃にタイ北部のチェンライという街で、それはそれは怠惰な日々を過ごしていた。やることといえば同宿者との無駄話と、空港と称される置屋部落に通うくらいだった。
 
 ある日の夕刻。別に義務ではなかったが、暇を持て余す一日のイベントのひとつという感じで、空港に足を向けた。適当な店を覗くが、カウンターの向こうに整然と並ぶ、白を強調した女性達の化け顔に食指が湧かない。で、踵を返し立ち去ろうとすると、店の男が駆け寄ってきて、「こっちこっち・・・」と秘密めいた感じで、こちらの手を引っ張った。
 
 男に手を引かれるままに、風呂無しトイレ共同靴脱ぎアパートみたいな置屋の内部に入った。もちろん何度も足を踏み入れたことがあるので、間取りに対する違和感とかカルチャーショックなどはなかったが、男が得意気に扉を開けた一室の光景には、タイ買春には慣れているつもりだった僕でも度肝を抜かれた。
 
 狭い個室には十人くらいだろうか、少女達が一つの寝台に座っていた。二列に並び、前に五人くらいが腰掛け、後ろの半分は胡坐だった。元々東南アジアの女性は実年齢より幼く見える向きはあるが、そこそこタイ歴があった僕から見ても、少女達は明らかに児童だった。本人に年齢を確認したわけではないが、心証では14歳未満といった感じだろうか。さすがに風当たりが強くなったのだろう、別室に待機していたわけだ(あくまで僕の心証ですが、90年頃から欧米のNGOなどが、タイの風俗産業は問題アリとして関与してきました)。
 
 何より気色悪かったのが、無表情な少女達の顔色だった。白粉を塗りたくった顔面に真紅の唇という児童の貌は、べっとりという言葉が当てはまり、この間一分くらいだろうか、引っ張ってきた男を無視し、さっさと部屋を後にした。。これは僕だけが感じているのかもしれないが、男でも女でも子供の化粧は気持ちが悪い。
 
 噂には聞いていたが、児童買春の現場を見たのは初めてだった。本当にありましたね、少なくともあの頃は。


 
 カムリが選んだ女性の一人は、どこから見ても児童だった。いや、児童と言うのは言い過ぎだが、行っていたとしても16歳くらいだろうか。「ちょっと、あの子・・・」という感じで小太り野郎に訊くと、「処女だよ」と事も無げに言う。あのさ・・・
 
 でも高いんだよ。高いって・・・? 正確には覚えていないが、日本円で十万円くらいだったと聞いた。
 
 で、アンタやるつもりなの? 金がないよ。確かにそうだろうな。カムリは買えても処女を買う金はないか(カムリの方が高い気がするが。もっとも車の方が元は取れるか)。せめてピクニックでイチャつきたかったのだろう。
 
 どんどん浮世離れしてゆく旅の一日が始まった。面白いね、色んな意味でアジア旅行は。
 
 続く。
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