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懐かしいですねぇ。これは1989年に訪れた、タイ北部のソッポンという村での一コマ。二人はラフーという民族で、村から歩いて一時間ほどのところにあった滝で、観光客に阿片の体験を薦めるのが彼女達の目的だった。阿片はもちろん喫煙習慣そのものがなかった僕は断ったものの、代わりといっては何だが写真を撮らせて貰ったわけだ。
モデル料として二人に20バーツくらい払った記憶がある。これは当時の阿片体験一回分の相場で、その前日に招かれたリス族の民家でも、主人から薦められた体験料金は10バーツだった。そんな時代があったのかと思われるかもしれないが、当時は山岳民族の村を訪ね歩くトレッキングなどで、象や筏に乗るのと同じ感覚で阿片体験が用意されていることは珍しくなかった。もちろんパンフレットなどには載っていなかったが。
その頃タイ北部の農夫とオピウムの関係について僅かばかりの知識はあったが、女性が吸うこともあるということは知らなかった。もちろん女性が吸っても不思議ではないのだが、このオピウムを巡る問題にはいくつかの定番があって、基本的には夫がオピウムに溺れ働かなくなり、最悪の場合は家計の苦しさゆえに娘を売り飛ばすというものだった。
作り話とまでは言わないが、中にはそういう例もあるのだろうと思っている。親が阿片吸飲者であることと、娘が売春婦であることの間には、直接の繋がりはない。多くのタイの売春女性と接したことがあるが、父親がオピウム中毒という話は聞いたことがない。薬物依存が周囲の人間に迷惑をかけるのは事実だが、安易に特定の事象と結びつけると、却って偏見を助長する場合がある。
阿片はともかくタイ北部の山岳民族の女性の喫煙率は、少なくとも一般のタイ女性より著しく高い印象がある。ついでに言えば飲酒率もそうかなという気もする。何れも個人体験に基づく心証だが、トレッキング中に擦れ違う女性達が葉巻を吹かしながら歩いているのは珍しくないし、あるカレン族の民家では、男女を問わず早朝から酌み交わしているシーンを目にしたことがある。
因みに囲炉裏に当たりながら(タイとはいえ山の朝は寒い)彼らが口にしていた酒は、中国でいうなら白酒、ラオスでいうならラオラオといった度の強いものだった。酒について詳しいことは知らないが、カンボジアやインドを含め僕が口にした地酒の多くは、原料や製法が同じなのか瓜二つの味がする。
余談だが、冒頭の写真の件でちょっとしたことがあった。小銭がなかったので20バーツの代金に対して100バーツ札を渡したが、予想を裏切らず釣銭など用意されていなかった。そこで左の女性を人質?に右の女性が釣銭を取ってくるのを待ったが、予想を裏切らずなかなか戻ってこなかった。
僕も焦ったが人質も焦った。人質が、「わたし見てくる」といった素振りを見せたが、そうはさせない。この時点で半分あきらめていたが、やがて右の女性が涼しい顔で釣銭を持ってきたので、嬉しさ半分驚き半分といった気持ちになったのを憶えている。
阿片で感覚が麻痺したか、単純に逃げたのかと思っていた。どちらにしても、「疑って悪かった」という場面でしたね。
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