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行く当てもないのに相も変わらず旅サイトを徘徊していると、ミャンマーに関する興味深い記事に当たった。後藤修身(ごとう おさみ)さんというプロカメラマンが運営するサイトで、写真の美しさもさることながら、テキストを読みながら、「相変わらず自分は何にも知らないなあ・・・」と改めて痛感してしまった。
以前このブログでベトナムのサイゴンという地名がホーチミンシティに変わった経緯に関する話を書いたが、今回はビルマからミャンマーに国名が変更された話です(僕が興味を惹かれたのは、「ミャンマー? ビルマ?」という記事で、その一部を引用しながら話を進めます)。
『12世紀の碑文に ムランマーという名前がでてきます。これが記録されている中では最も古いものです。この後、時代とともに変化してミャンマーになりました』
全く知らなかった。てっきり軍事政権が新しい名前を創作したのかと思っていたが、そんな古くからある呼称だったわけだ。
『現在、ミャンマーは文語の正式名称です。一方、口語の呼称もあります。バマ-と言いますが、それはミャンマーが変化したものです』
ミャンマーが文語でバマーが口語か。そしてバマーの語源はミャンマーだったわけだ。どちらにしてもミャンマーが先だったわけですね。
『ミャンマーに行くと、一般の人たちはミャンマーとバマ-の両方とも使っています』
全く気づかなかった。というより憶えていない。96年に一度だけミャンマーに行ったことがあるが、地元の人とは言葉は交わすものの、会話は全て英語だった。地名が出てくる会話はしたとは思うが、国名までは記憶にない。
『ちなみに、ビルマ語での正式国名は、Pyidaungzu Myanma Naingngandaw で、イギリスから戦後独立してから変わっていません』
決定打ですね。確か久米宏さんだったと思うが、「ニュースステーションではミャンマーという言葉は使いません」といった風なことを言っていたのを憶えている。軍事政権に抗議する意味があったと思うが、久米さんはこういう歴史事実を知っていたのだろうか。どうも軍事政権の決定であることと、国名に対する呼称の問題は切り離した方がいいような気がする。
『西洋人が初めてやってきた頃、12世紀のムランマーは変化して、ミランマーまたはマランマーになっていたといわれています。それを聞いた西洋人が聞き間違って英語ではバーマとなったのです。ここで注意しときたいのは、現在のビルマ語の口語のバマーが、英語のバーマの起源ではないということです』
読んだ瞬間に意外な感じがしたがやはりそうで、上の部分については、ある大学の先生から間違っているとの指摘を受けたそうだ。先生が言うには、『当時、口語のバマ-というのがもう存在していて、それがバーマの語源になった』とのこと。もっとも後藤さんもこの件に関しては、『私の持っている資料とは違うのですが、ずいぶん昔のそれも発音のことですし、呼び方などは自然発生的に生まれたのでしょうから、確定するのは不可能なんでしょうね』と追記している。
ミャンマー人が現地の発音でミャンマーと言うのを聴いた覚えがないので何とも言えないが、ミャンマー人の話す言葉は、どちらかと言えばタイ語に比べて声のトーンが低く、それゆえ太く聴こえ、インドに近くなってきたなと感じたのを憶えている。また耳に残ったのは濁音傾向で、記憶違いはあるかもしれないが、スーレーパゴダは、「スーレーボーゴーダ」というふうに聴こえた。
しかしミランマーやマランマーをバーマと聞き間違えるのは極端な感じがする。僕が感じたように濁音傾向があるとしたら、ミやマがビやバに聴こえたというのも考えられなくもないが。もっともカンボジアに行った時に、ベジタブル(野菜)をポータブルと言うおばさんに会った事があるので、そういうこともあるかもしれない。考えてみれば、日本語の英語からの借用語も似たようなものだし。まあ後藤さんが書いているように昔の事なので、確定するのは無理なんでしょうね。
因みに後藤さんの場合はBurmaでもMyanmarでもどちらでもいいということだが、僕自身は以前からミャンマーと呼んでいる※。単純に正式名称だからというのが理由だが、この歴史事実を知って、ますますその思いが強くなった。Burmaと違ってMyanmarは国内の全民族を指すという軍事政権の説明は確かに怪しいが、英語呼称を変更した決定そのものに、特におかしなところが感じられない。もっともビルマ語かミャンマー語かというのは、クメール語かカンボジア語かという程度のことに思うので、これはどっちでもいいですね。
考えてみれば、これらの事は持参したガイドブックに書いてあったかもしれない。しかし80年代の末期から無謀にもロンプラ(英語のガイドブック)を使い始めたので、(満足に読めないこともあって)ますますアカデミズムから遠ざかってしまった。では英語力は向上したかといえば怪しくて、未だに、「Sleeping」と、「Getting There」しか読めない。もっともミャンマーに関しては、当時売られていたロンプラに記載されていた情報が古く、久しぶりに地球の歩き方を使った。しかしこれも宿と交通と名所の説明くらいしか読まず、読んだかもしれないが、歴史や文化といったものはさっぱり記憶にない。
もし読んでいたら、あるいは知っていたら旅が幾分変わったものになったかもしれないと思うとやり切れないが、後悔先に立たずですかね。今からでも遅くないから、少し歴史の勉強でもしようかという気にもなっている。続くかどうかは分からんが。
※ しかし96年にミャンマーに行く際にカオサン通りの代理店で航空券を購入したのですが、MyanmarもYangonも通じず、BurmaとRangoonに言い直して買いました。
今回の記事で参照した後藤修身さんのサイトです/http://www.ayeyarwady.com/index.htm
この記事の続編はこちら
以前このブログでベトナムのサイゴンという地名がホーチミンシティに変わった経緯に関する話を書いたが、今回はビルマからミャンマーに国名が変更された話です(僕が興味を惹かれたのは、「ミャンマー? ビルマ?」という記事で、その一部を引用しながら話を進めます)。
『12世紀の碑文に ムランマーという名前がでてきます。これが記録されている中では最も古いものです。この後、時代とともに変化してミャンマーになりました』
全く知らなかった。てっきり軍事政権が新しい名前を創作したのかと思っていたが、そんな古くからある呼称だったわけだ。
『現在、ミャンマーは文語の正式名称です。一方、口語の呼称もあります。バマ-と言いますが、それはミャンマーが変化したものです』
ミャンマーが文語でバマーが口語か。そしてバマーの語源はミャンマーだったわけだ。どちらにしてもミャンマーが先だったわけですね。
『ミャンマーに行くと、一般の人たちはミャンマーとバマ-の両方とも使っています』
全く気づかなかった。というより憶えていない。96年に一度だけミャンマーに行ったことがあるが、地元の人とは言葉は交わすものの、会話は全て英語だった。地名が出てくる会話はしたとは思うが、国名までは記憶にない。
『ちなみに、ビルマ語での正式国名は、Pyidaungzu Myanma Naingngandaw で、イギリスから戦後独立してから変わっていません』
決定打ですね。確か久米宏さんだったと思うが、「ニュースステーションではミャンマーという言葉は使いません」といった風なことを言っていたのを憶えている。軍事政権に抗議する意味があったと思うが、久米さんはこういう歴史事実を知っていたのだろうか。どうも軍事政権の決定であることと、国名に対する呼称の問題は切り離した方がいいような気がする。
『西洋人が初めてやってきた頃、12世紀のムランマーは変化して、ミランマーまたはマランマーになっていたといわれています。それを聞いた西洋人が聞き間違って英語ではバーマとなったのです。ここで注意しときたいのは、現在のビルマ語の口語のバマーが、英語のバーマの起源ではないということです』
読んだ瞬間に意外な感じがしたがやはりそうで、上の部分については、ある大学の先生から間違っているとの指摘を受けたそうだ。先生が言うには、『当時、口語のバマ-というのがもう存在していて、それがバーマの語源になった』とのこと。もっとも後藤さんもこの件に関しては、『私の持っている資料とは違うのですが、ずいぶん昔のそれも発音のことですし、呼び方などは自然発生的に生まれたのでしょうから、確定するのは不可能なんでしょうね』と追記している。
ミャンマー人が現地の発音でミャンマーと言うのを聴いた覚えがないので何とも言えないが、ミャンマー人の話す言葉は、どちらかと言えばタイ語に比べて声のトーンが低く、それゆえ太く聴こえ、インドに近くなってきたなと感じたのを憶えている。また耳に残ったのは濁音傾向で、記憶違いはあるかもしれないが、スーレーパゴダは、「スーレーボーゴーダ」というふうに聴こえた。
しかしミランマーやマランマーをバーマと聞き間違えるのは極端な感じがする。僕が感じたように濁音傾向があるとしたら、ミやマがビやバに聴こえたというのも考えられなくもないが。もっともカンボジアに行った時に、ベジタブル(野菜)をポータブルと言うおばさんに会った事があるので、そういうこともあるかもしれない。考えてみれば、日本語の英語からの借用語も似たようなものだし。まあ後藤さんが書いているように昔の事なので、確定するのは無理なんでしょうね。
因みに後藤さんの場合はBurmaでもMyanmarでもどちらでもいいということだが、僕自身は以前からミャンマーと呼んでいる※。単純に正式名称だからというのが理由だが、この歴史事実を知って、ますますその思いが強くなった。Burmaと違ってMyanmarは国内の全民族を指すという軍事政権の説明は確かに怪しいが、英語呼称を変更した決定そのものに、特におかしなところが感じられない。もっともビルマ語かミャンマー語かというのは、クメール語かカンボジア語かという程度のことに思うので、これはどっちでもいいですね。
考えてみれば、これらの事は持参したガイドブックに書いてあったかもしれない。しかし80年代の末期から無謀にもロンプラ(英語のガイドブック)を使い始めたので、(満足に読めないこともあって)ますますアカデミズムから遠ざかってしまった。では英語力は向上したかといえば怪しくて、未だに、「Sleeping」と、「Getting There」しか読めない。もっともミャンマーに関しては、当時売られていたロンプラに記載されていた情報が古く、久しぶりに地球の歩き方を使った。しかしこれも宿と交通と名所の説明くらいしか読まず、読んだかもしれないが、歴史や文化といったものはさっぱり記憶にない。
もし読んでいたら、あるいは知っていたら旅が幾分変わったものになったかもしれないと思うとやり切れないが、後悔先に立たずですかね。今からでも遅くないから、少し歴史の勉強でもしようかという気にもなっている。続くかどうかは分からんが。
※ しかし96年にミャンマーに行く際にカオサン通りの代理店で航空券を購入したのですが、MyanmarもYangonも通じず、BurmaとRangoonに言い直して買いました。
今回の記事で参照した後藤修身さんのサイトです/http://www.ayeyarwady.com/index.htm
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忘れたわけではありませんので、まったりとお待ちください。
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