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語学教本は勿論のこと、大抵の海外旅行のガイドブックには会話集が付いている。このうちタイ語の会話文で以前から気になっていたのが、「ドゥームアライ」というやつ。ドゥームが「飲む」でアライが「何」という意味になる。よって「何を飲みますか」と対訳されているのがドゥームアライだが、これが食堂での会話例となっているのが、かなり前から気になっていた。
これまで数百回に渡ってタイの食堂を利用してきたが、飲み物を訊かれる際にドゥームアライと言われたことは、全くといっていいほどない。確実に憶えているのは一回だけで、はじめ何を訊かれたか分からず聞き返すと、「ドゥームアライ?」と店員が言い直した場面だけだった。その時は知識としては知っていたが一度も言われたことがなかったので、やっぱり言うのかと驚いた記憶がある。
高級レストランやファーストフードなどの場合は知らないが、一般的なタイの食堂では、料理名や料理法以外の客と店員との会話は殆どない(常連との世間話などは別)。寄って来た店員が、「アオアライ(アオは要求や願望といった意味)」とか「ミーアライ(ミーは存在を現す)」と訊いてくることはあるが、大抵は黙って立っている場合が多い。因みに「何がある?」といった意味のミーアライの方は客の台詞のような気もするが、一種の婉曲表現なのか、出来合いの惣菜が並んだ店などで、店員から言われることがあった。「(欲しい物は)何がある?」といった感じだろうか。
こちらが注文を告げると、次に店員が無表情に飲み物を訊いてくる。麺屋台では訊いてこないことが多い。で、訊いてくる場合の台詞が大抵は、「ナーマライ(ナーム+アライ)」とか「ギンナーンマイ(ギン+ナーム。マイを語尾に置くと問いかけを現す)」というものだった。正確なタイ語は知らないが、ナームは水という意味に加えて、食堂では飲み物一般を現す語として使われている気がする。ギンは食べると訳されているが、ギンビア(ビールを飲む)とかギンラオ(酒を飲む)と普通に言うので、実際には日本語の「食べる」より広い範囲で使われると見ていい。どちらにしても「ドゥームアライ」と訊かれることは、まずなかった。
偏見かもしれないが、この種の会話集を作成する人は、あまりフィールドワークをしていないのではと思うことがある。実際にタイの食堂を利用した経験があるなら、「ドゥームアライ」という語が殆ど使われないことくらい分かる筈である。不思議なのは、フィールドワークそのもので書かれた本でも同じ傾向が見られることだ。ガイドブックというより写真やイラストが豊富なグルメ本というもので、料理名や注文の仕方など詳しく書かれていて参考になるのだが、何故か付属する会話例だけが実情と離れている。
実は著者はタイ語が分からず、この部分だけは他の会話本から採ったのだろうか。あるいは違和感に気づいていながらも、既に定番になってしまった「ドゥームアライ=何を飲む」という先例から逃れられない何かがあるんだろうかと勘繰りたくなる。
「何を食べますか」という日本語に文法上の誤りは全くないが、実際にレストランの店員が客に向かって言うことはない。無言(客が注文してくるのを待つ)も含めて色んな言い方があるが、「注文はお決まりですか」とか、「何にしますか」といった感じが多いと思う。同じことが「ドゥームアライ」にも言えて、ドゥームが「飲む」でアライが「何」である以上、「ドゥームアライ=何を飲みますか」の訳に間違いはないが、食堂での会話となると話は別になる。今から思うと一度だけ言われた「ドゥームアライ」も、やり取りをしているうちに僕が中途半端にタイ語を話す外国人だと気づき、それで店員が分かりやすい言葉で言ってくれたのではと思う。
ネイティブスピーカーと接する機会のない大多数の人にとって、テキスト(音声も含む)が外国語を覚える最良の手段なのは、ネットが普及した今でも変わらないと思う。まさかと思うが語学本を書く人が語学本だけで語学を習得したとは言わないが、この件に限らずテキストで覚えたフレーズが、現地では意味が同じでも違う言い回しで使われていることが少なくない。ここに著者のフィールドワークの差が出ると思うが、テキストを使用する際には、こういう部分にも留意した方がいいと思う。
これまで数百回に渡ってタイの食堂を利用してきたが、飲み物を訊かれる際にドゥームアライと言われたことは、全くといっていいほどない。確実に憶えているのは一回だけで、はじめ何を訊かれたか分からず聞き返すと、「ドゥームアライ?」と店員が言い直した場面だけだった。その時は知識としては知っていたが一度も言われたことがなかったので、やっぱり言うのかと驚いた記憶がある。
高級レストランやファーストフードなどの場合は知らないが、一般的なタイの食堂では、料理名や料理法以外の客と店員との会話は殆どない(常連との世間話などは別)。寄って来た店員が、「アオアライ(アオは要求や願望といった意味)」とか「ミーアライ(ミーは存在を現す)」と訊いてくることはあるが、大抵は黙って立っている場合が多い。因みに「何がある?」といった意味のミーアライの方は客の台詞のような気もするが、一種の婉曲表現なのか、出来合いの惣菜が並んだ店などで、店員から言われることがあった。「(欲しい物は)何がある?」といった感じだろうか。
こちらが注文を告げると、次に店員が無表情に飲み物を訊いてくる。麺屋台では訊いてこないことが多い。で、訊いてくる場合の台詞が大抵は、「ナーマライ(ナーム+アライ)」とか「ギンナーンマイ(ギン+ナーム。マイを語尾に置くと問いかけを現す)」というものだった。正確なタイ語は知らないが、ナームは水という意味に加えて、食堂では飲み物一般を現す語として使われている気がする。ギンは食べると訳されているが、ギンビア(ビールを飲む)とかギンラオ(酒を飲む)と普通に言うので、実際には日本語の「食べる」より広い範囲で使われると見ていい。どちらにしても「ドゥームアライ」と訊かれることは、まずなかった。
偏見かもしれないが、この種の会話集を作成する人は、あまりフィールドワークをしていないのではと思うことがある。実際にタイの食堂を利用した経験があるなら、「ドゥームアライ」という語が殆ど使われないことくらい分かる筈である。不思議なのは、フィールドワークそのもので書かれた本でも同じ傾向が見られることだ。ガイドブックというより写真やイラストが豊富なグルメ本というもので、料理名や注文の仕方など詳しく書かれていて参考になるのだが、何故か付属する会話例だけが実情と離れている。
実は著者はタイ語が分からず、この部分だけは他の会話本から採ったのだろうか。あるいは違和感に気づいていながらも、既に定番になってしまった「ドゥームアライ=何を飲む」という先例から逃れられない何かがあるんだろうかと勘繰りたくなる。
「何を食べますか」という日本語に文法上の誤りは全くないが、実際にレストランの店員が客に向かって言うことはない。無言(客が注文してくるのを待つ)も含めて色んな言い方があるが、「注文はお決まりですか」とか、「何にしますか」といった感じが多いと思う。同じことが「ドゥームアライ」にも言えて、ドゥームが「飲む」でアライが「何」である以上、「ドゥームアライ=何を飲みますか」の訳に間違いはないが、食堂での会話となると話は別になる。今から思うと一度だけ言われた「ドゥームアライ」も、やり取りをしているうちに僕が中途半端にタイ語を話す外国人だと気づき、それで店員が分かりやすい言葉で言ってくれたのではと思う。
ネイティブスピーカーと接する機会のない大多数の人にとって、テキスト(音声も含む)が外国語を覚える最良の手段なのは、ネットが普及した今でも変わらないと思う。まさかと思うが語学本を書く人が語学本だけで語学を習得したとは言わないが、この件に限らずテキストで覚えたフレーズが、現地では意味が同じでも違う言い回しで使われていることが少なくない。ここに著者のフィールドワークの差が出ると思うが、テキストを使用する際には、こういう部分にも留意した方がいいと思う。
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ここのところ私事多忙にて更新が滞っています。
忘れたわけではありませんので、まったりとお待ちください。
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