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 前回の記事でプノンペンのトゥールスレーンに触れて、少し書きたくなった。
 といってもポルポト虐殺や博物館の概要ではなく、単純に写真撮影という点から。



img703.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 僕が使っているのはフィルムカメラで、フィルムはISO100を使っている。この組み合わせの最大の弱点は室内撮影だが、逆に考えれば光や色合いなど趣のある仕上がりになることも少なくない。
 暗さに対抗するため最大絞り値がF1,4の50ミリレンズを使ったが、開放にしてもアンダーになったと思う。もはや露出は成り行きに任せてと、却って気軽に撮影できた。
 写真は窓からの陽が照らされたA棟の一室の床で、これに限ってはプラスだった。


img705.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 花の種類も誰が置いたのかも分からないが、僕が行った時は政治犯が収容されていたA棟の寝台の上に、いくつも散りばめられていた。確証はないが、地元のカンボジア人の宗教関係者が置いたのではと思った。


img706.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 この寝台の上には自白の強要や拷問に使われたとされる器具が無造作に置かれている。これもそのひとつ。形からして手枷足枷のようにも見えるが、実際の用途は知らない。


img711.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 絞り開放の最大の魅力はボケ味。この場合は前景ボケを狙った。


img714.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 明らかに意図的なデザインと思える寝台の枠の部分。丸が太陽で三本の直線が陽射しで、下の曲線は山か海を現していると思ったが、考えすぎですかね。


img717.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007 

 B棟には実際に犠牲になった人達の、夥しい数のポートレートが展示されている。ポートレートはガラスで覆われていて、ガラスには自分の後ろの情景が反射されているのが肉眼でも確認できる。このガラスや鏡を利用して背中の情景と掛け合わせる手法は、プロアマ問わず写真の世界では普通。
 反射している右の男性を意識しながら、左の男性に焦点を合わせた。
 


img721.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007 

 これも同じ手法だが、前の写真とは逆に、反射している窓に焦点を合わせた。
 B棟のポートレイトの多くは存命中に撮られた証明写真のようなものだが、中には明らかに死人と思われるものがある。


img722.jpg
img723.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 この二枚も同じ手法。後の写真は構え方からしてデジカメだと思う。この2007年の旅で出会ったか見かけた旅行者の、ほぼ100パーセントがデジカメを所持していた。
 あまり意識していなかったが、フィルムカメラが過去のものになったことを痛感した。実際にフィルムカメラを持っていた人を見たのは、ボコールで一緒だった英国から来た男性ひとり。


img700.jpg
Tuol Sleng/Phnom Penh/Cambodia 2007

 最後に写真撮影とは関係ないが、CかD棟の二階か三階に展示されていたポルポト派関係者と思われる肖像。
 恨みは怒りは理解できるが、どうですかね。

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